家のない猫を減らす=心豊かな社会 「地域猫」
不妊手術済の猫は、耳先をカット
手術が重複しないための印です
桜の花びら型にカットされた耳。一代で終わる大切な命。温かく見守ってください。
オスは右、メスは左をカットのルールが適用されているかも
猫は本来、その地についたものとして暮らしてきました。
納屋や縁の下、家畜小屋などに住み、ネズミや害獣駆除をしたり、時には人とかかわって可愛がられたり。一般にいるのは「イエネコ」と呼ばれる種類。つまり、家畜化された生き物です。
人の近くで暮らすのがその生態であり、人家を離れては生きられません。
かつては、その存在は自然と受け入れられ、共生してきました。が、今では、その役割が失われ、「余計なもの」「害獣」のように受け取られることさえあります。
人が猫をかわいがり、守りたいと思うのは昔から刷り込まれた文化であり自然なこと。
残念ながら、現在は無駄を省くこと、清潔であることが最優先され、人のみに都合のいい無機質な地域が出来上がっています。
その中で地につき、人の周りで暮らそうとする猫やその他の生き物たちは居場所を追われ、それをかばおうとする人は糾弾される事さえあります。
それでも、繊細な優しさを持つ人、心のよりどころにする人がかばい続け、結果として地域から孤立、援助もないまま猫屋敷→多頭飼崩壊などという悲劇が起きています。
犬、猫、その他生き物に対する感情は、人それぞれ。5人に一人といわれる特に繊細な感情を持つ人々にとって、懸命に生きるその姿は大切にすべき隣人としてなくてはならないものです。それを傷つけることは、身を切られるようにつらく、守るために結果として孤立していく構図があります。
一方排除する声は、「迷惑」の名のもと、正義のように振りかざされることが少なくありません。
それは、「感覚の差」として埋めようもないこともあります。
その中で考え出された、どちらからも歩み寄る実効性のある方法が「地域猫」なのです。
不妊手術(TNR)の必要性
外で暮らす猫たち。
寒さに凍え、お腹を空かせた彼らにご飯をあげたい!
これは自然な感情です。
ただ、それだけではどんどん増えてしまいますね。
妊娠期間が約2カ月と短く、生存率も低い猫は年間2~3回出産することで数を維持しています。
そのため、環境が整えばたった1年でその数は軽く数倍に!
産まれたら生きなければなりません。
その替わり、賄いきれない不幸な命を増やさないことが現代社会で彼らと良い関係を続けられる方法なのです。
「今ある命を最大限大切にしながら、不幸な命を増やさない」
そのために行われるのが「不妊手術=TNR」です。
TNRとは・・・
1)Trap(トラップ):捕獲する
2)Neuter(ニューター):不妊手術
3)Return(リターン):猫を元の場所に戻す
*メスは増やさないためだけでなく、身体を酷使する出産から解放されることで、母猫自体の負担を抑えることができます。
*オスもマーキングや、ケンカ、徘徊が抑えられ穏やかになります。
*不妊手術を行った猫は、行動範囲も狭まり、のんびりと過ごすことが可能になるのです。
不妊手術をして、増えないようにコントロール。
そして、一代で終わる命を地域ぐるみで大切に共生していこうというものです。
地域猫の方法
<TNR実施の流れ>
1)地域での話し合い(継続的支援・実施方法)
・・町内会や地域&保健所&もふっこひだ
2)餌付け・・・・・・・・・・地域担当者
3)捕獲(病院予約の上で)・・地域&もふっこひだ
4)手術の実施・・・・・・・・病院
5)手術後回復管理・・・・・・地域又はもふっこひだ
6)継続飼育管理・・・・・・・地域
<地域猫の対応について>
1)不妊手術を行う
2)食事の世話をする(虫や腐敗のものにならないように、適切に管理)
3)トイレを設置(排泄場所を設けることでトラブル防止)
4)安心して休める場所を提供(入り込みなどを防ぐ)
以上の点を実施し、暮らしている地域で認知・管理されている猫が「地域猫」です。
食事や居場所を提供管理することで、ごみあさりや家への入り込み、糞尿被害をなくすことができます。
大切なのは、「排除のため」ではなく「より良い共生のため」
どういった支援ができるのかを話し合い、実行することです。
もふっこひだでは、ご説明や捕獲支援などを行っています。
ご協力先
*にじのはしスペイクリニック様 ホームページ
*笛吹どうぶつクリニック様 ホームページ
*日本動物愛護協会様 ホームページ
*公益財団法人どうぶつ基金様 ホームページ
「NPO法人もふっこひだ」は、殺処分ゼロを目指す公益財団法人どうぶつ基金の協働ボランテ ィアです。どうぶつ基金が発行する「さくらねこ TNR 無料不妊手術チケット」 を利用して TNR を行っており、チケットを使用して行った不妊手術費用につい ては全額どうぶつ基金が負担します